クラスメートには、
あまり仲の良い連中は居なくて、
ちょっとつまらなかった。

そんな中、
高校が違ったHちゃんの家が、
通学路の中にあって、
しょっちゅう帰りに立ち寄っていた。

私は、中三で初めて、
孤立から脱したので、
再び一人になると、
物足りなくなっていた。
そんな私を
支えてくれたのは、
Hちゃんだった。

二人で、
中三の時に描いた漫画のキャラクターを
恋愛モノにして、
くっつけようという企画を考えて、
Mちゃんに読んでもらった♪

漫画でなく、小説版にした。

そのうちの2作が、
他の携帯小説サイトに、
公開している話の原案になった♪

私の考えたオリジナルキャラクターのうち、
山崎由里というキャラがいる。

かの有名なK太郎みたいな前髪で、
片眼を隠していて、
ちょっと暗く、
霊感少女の高校生だ。

霊力とかを使うたび、
消耗が激しく、
身体を壊してしまうという、
病弱キャラだ。

この霊感と病弱は、
私の制御不能な病を投影しているからか、
お気に入りキャラになっていた。

某アニメーションで、
数年前に、
少し見た目が似たようなヒロインが現れたけれど、
私が先です!!
とか言いたくなるほど、
昔に描いたのだが、
現代版別世界バージョンとして、
携帯小説化するとは、
この頃の私には、
思いもよらなかった。

当時描く漫画や小説の内容には、
転生輪廻モノや、
主要キャラが、
死んでしまう話も、
多かった。

友だちの間の内輪でしか見なくて、

画力は、まだまだ素人で、
他人に見せられた代物ではなかった。

ノートに鉛筆で描いて、
コピー機で印刷して、
ホチキス止めの本の体裁になると、
漫画家や、小説家の気分になった。

学校の部活の他に、
授業時間に、
クラブ活動があって、
漫画研究クラブがあった。

ここで、Gペンやインクを使う本格的な絵を時間内に描いて、
文化祭の時に、
描いた漫画やイラストを
コピー機印刷&ホチキス止め冊子にして、
出品した。

この時に、中三で描いていた漫画の高校生版を描いて、
ペン入れして、
出品した。

これが、初めて、
内輪だけでなく、
周りに見せた作品第1号であった。

あまり見せられた代物ではなかったけれど……。

現在では、
気軽にサイトにアップできるが、
私の頃は、
不特定多数に見せる手段は少なかった。

デッサン力のなさを
痛感して、
美術研究所に、
日曜日コースで、
通い始めたのも、
この頃だった。

私は、絵描きになるというよりも、
漫画家になりたい方だった。

だから、
『絵描きになる?』
の佐々木美波(みなみ)ちゃんと私とは、
イコールではない。

絵描きになりたいと、
漫画家になりたいとでは、
親の応援がもらえるか、
反対されるかという所で、
反対されるのは、
漫画家の方だろうと思った。

美術研究所では、
デッサン力の低さに、
苦しんだが、
受験コースよりも、
まだまだ気楽なものだった。