校内で、部活の先輩に会うと、
下級生は、頭を下げていた。

私も、T先輩に会うと、
頭を下げて、
そのまま互いに見えなくなるまで、
見つめあっていたのを
随分前から、
Eちゃんと、Mちゃんは、
気がついていた。

でも今日は、
見つめ合う気分じゃ無かった!!

誰かに見られたら、
何かされる……。

私は、視線を外した。

「ど、どうしたの!?」

Mちゃんは、
私の変化に気がついた!

「何でもない……。」

仲の良い友だちに、
うちあけられないほど、
私の気持ちは、
訳がわからなかった!?

T先輩の事は、
無かった事にしたい……。

私は、恋愛しちゃいけない……。

T先輩は、私の小学校出身じゃないから、
私の病気を知らない……。

私の気持ちのままに、
行動してしまったけど、
気をつけないといけない事なんだった!

こないだkくんと3人で、
帰った日に、
T先輩と私、kくんは、
まるで親子みたいと錯覚しちゃった。

いつか親子3人でああいう風に歩けたら良いな〜なんて、
ちらっと思ったりしたけど……。

今は、現実に引き戻されていた。

私は、まだ子どもがつくれない!!

中学生だからという訳じゃなくて、

病気の治療が何年先になるか、

全然見通しがつかない!!

三年すれば、
治る人が、
80パーセントだけど、
私の脳波には、
眠りばなに、
出る波形が、
まだちょっと、
薬を減らせないという……。

毎年、毎年、
脳波検査を受けて、
年2回、
薬の服用度合いをみる、
血中濃度を調べている時だけ、
私は、まだ小児科に通院している健康ではなかったのだと、
再認識する……。


だから、普通の女の子の夢は、

病気が直って、
薬を飲まなくなるまで、
あきらめなくてはならない!!

そうだった!!

赤ちゃんに影響あるという薬は、
もう飲まなくなったけど、
今の薬は、
まだ量が多いので、
赤ちゃんに少し影響があるという!

T先輩は、
私の事を
ただの健康な女子だと思っている……。

彼女がいても手を出す男だ!!

この先、逢えば、
どうなるかわからない!!

もう、逢ったらいけない……。