クラスメートのAちゃんは、
あまり勉強が得意ではない娘だった。

私は、四年生までは、
Aちゃんと、
よく遊んでいた。

舌ったらずなしゃべり方が、
特徴的で、
Aちゃん家にもよく遊びに行った。

Aちゃんは、
Aちゃんのお母さんが、
勉強をみていたけど、
私でもわかる問題が、
いくら説明しても、
難しいみたいで、
頭を抱えて、

「わかんないよ〜!」

とか言っていた。

そのうち、
Aちゃんは、
私に自分の病気の事を
話してくれた。

薬飲んでも調子が悪いと、
薬が効かないで、
時々倒れちゃう、
てんかん持ちで、

交通事故にも遭った事があって、
なんと、
車にぶつかって、
脾臓(ひぞう)が破裂しちゃったんだ〜。

などと、
ニコニコ笑って言う娘だった……。

脾臓!?
なんて、聞き慣れない臓器だけど、

『五臓六腑(ごぞうろっぷ)』の1つなんだって!?

心臓、肝臓、肺、腎臓ほど、
よく聞かないけれど、

見ただけじゃ分からない、
身体の一部を、
事故でなくしたのだと、
私は、認識した。

今なら、養護学校には行かないものの、
特別支援学級に入るかもしれない学力の娘だったかもしれない。

特別支援学級が無かったから、
グレーゾーンにいる場合、
親は皆、養護学校への偏見からか、
普通学級に入れたいというのが、
当時の親御さんの共通の感覚だったのかもしれない。