放課後、雨がザーザーと降ってきてしまった…


  結葉 「お母さんが今日は雨降るから、傘持って行きなさいって言ってたの忘れてた…」

「 どうしよう。  星奈は今日、補習だから一人で帰らなきゃなのに。」

   「はぁ、濡れて帰るしかないか」

    「明日、風邪ひいたら嫌だなぁ…」

  
     私は、雨をじっと見てから歩きだそうとした。


      そのとき、君が現れた…



  奏葉 「傘持ってないの?  貸すよ。」
 
  結葉 「えっ? あなたが濡れちゃいますよ。」

  奏葉 「へーき。 家、近いから。」

  結葉 「でも…」

  奏葉 「いいから」 

  結葉 「すいません、 ありがとうございます。」


  君は優しく笑って走っていってしまった…

   
 あのとき、私はまだ、君の存在を知らなかった…