でもまだ夕方なんだ。夏だから日は長い。
それだけがちょっとだけ救いかな。
「ふぅーん。ありがと。
ねぇ、帰りたいんだけど」
おばさんは心配性だから少しでも遅いと大変な事になりかねない。
おばさんだけ。おばさんだけが私を心配してくれるんだから。
そのおばさんまでを、私が…。
壊しちゃいけないでしょう
そんな事は口が滑っても言えないけど。
あ、さっき過去のこと言いそうになっちゃってたけどね、あれは別だよね。
「簡単には帰さないつもりなんだけど?
あー、そうだね。
ゆぅは何者なのか、教えてくれる?
そしたら帰すよ。すぐに。」
廉くんは、ニヤリと笑うと私に近づいてきた。
あぁ、やっぱりダメみたいだ私。
蛇に睨まれた蛙みたいに動けなくなった。
ゆぅ、って呼ぶ男の人が近づくだけで震えが…止まらなくなる。
「そ、んなの…教えられない、し…。
そんなもの…ない、から…。」
何やってんだ私、こんなんじゃあります、って、肯定してるようなもんじゃない。
「ふぅん、じゃあ帰られないね?」
全て見透かしたようにクスリと笑う廉くんは金髪達に目を向けた。
金髪たちもニヤリと笑うと私に近づいてくる。
もう分かった。私は………。
ヤられる…。

