「…ったく。手ぇ出さないよ。
だって庵が、やっと信じられそうな人だろ?
頼むからその殺気はやめろ。まじで」
手を出す?握手とかしたっけ?
「え、手出してないよ、だって握手してない」
さっきまで超不機嫌だった庵の目を見て言う私。
だけど、2人ともぽかんと口を開けたまま固まっている。
「あれ?何かおかしいこといった?」
沈黙に耐えきれず2人に問いかける。
「…んいや。庵苦労するなあ」
「だから、余計な事しないでくれよ」
庵は、困ったようにため息をついて私を見てくる
和樹さんは、残念だね、とでも言うような哀れんだ視線を向けてくる。
…いやいや!私状況掴めてない!!
「なんですか、2人して!」
なんか今日怒ってばかりだな。
「由依ちゃん、ごめんごめん
ほら、これ食べて機嫌治して」

