「そういえば、名前言ってなかったね。
俺、庵の従兄弟の和樹( カ ズキ )。」
和樹さん。何だか名前までかっこいいと思うのは気のせい?いや気のせいじゃないはず。
「和樹さん、って言うんですね!
私、庵のクラスメートの如月由依って言います
パンケーキ、すっごく美味しいです!」
これは毎日足繁く通ってもきっと飽きない。
…その前に体重が増えるから来れないけど。
「うん、ありがとう。
これ、俺が作ってみたんだ。
由依ちゃんみたいな可愛い娘に褒められると嬉しい」
そう言って天使スマイルを炸裂させた和樹さん。
たぶん、この笑顔で周りの女の子が倒れてしまうと思う。
…かっこいいって罪だ。
っていうか、これ和樹さんが作ったの?!?!
何この、スイーツ系男子。
「えっ、これ和樹さんが!
すごすぎます!毎日食べられますよ!!これ!」
ついつい興奮して大声で話してしまう。
一斉にお客さんがふりむいて視線を感じる。
う…、。
「おい、和樹。由依には手ぇ出すなよ」
びくぅ、という効果音が聞こえるみたいに和樹さんの肩が揺れた。

