振り向くと庵と新が居た。
「何か浸ってた?大丈夫か?」
また倒れるんじゃ無いのか?と庵が私の額に自分の額をくっつける。
瞬間、赤くなる私の顔。
「な、何言ってんの。無いよ…っ!」
彼を突き放すようにして離れる。
ドキドキさせないでよ、庵。
女子は私達を見てきゃー!と言ってるし…。
新が傷ついたような表情を浮かべているなんて私は気づけなかった。
「あぁ…わりぃ、つい。
そんで今日駅前のパンケーキ食べに行くか」
あぁ、そうだった。
今日も庵と帰るんだった。
「甘いもの苦手なくせに?」
「由依は好きだろ?」
まぁそうだけど…。無理して付き合わせるわけにはいかない。
「いいから、遠慮すんな!な?」
頭をぽんぽんと2回叩くと新を連れて行ってしまった。
「もう…。まだ返事してない…。」

