名前は、誰もが口にできるという。 もちろん、僕だってできた。 如月由依。 城陽高校 Syouyou 2年C組。 教室の隅で顔をさげていつも暗い僕に近づく人はもちろん誰もいなかった。 毎日毎日勝ち組の男子の声を聞いて 授業を受けてどこかに寄り道するでもなく帰る毎日。 退屈だった、だけど変わりたい、とも思わなかった。 そんなこんなで6月。 窓の外は雨ばかりで傘を差しても鞄が濡れてしまうのは辛かった。