そう言って、1年生の割に短めのスカートをヒラヒラ揺らしながら目の前から居なくなった女子たち。
「…っばか。何言ってんのよ。」
ズッ、と頭上で鼻をすする音がした。
「かおり、」
「腰ぬけるほど怖かったくせに。
私なんか、かばっちゃダメだし」
そう言って、差し伸べられたかおりの手を見れば微かだけど、確かに。
震えていた。
「だっ、て…私にとっては親友だから…っ。
かおりがいじめられるのは、私、見てられないっ」
かおりの目に涙が溜まって溜まって溜まりすぎて
私のスカートの上に落ちる。
綺麗な跡を残して。
「ごめん、ごめんね、由依…。
私嫉妬してたんだよ…」
「ううん、私もごめんね…。
かおりの気持ち知ってたのに…」
お互い泣いて抱き合って。
仲直りが、できた。
「如月、良かったな」
「岩谷くん!」
見上げると優しい瞳で私達を見つめる岩谷くん。
「岩谷くんがいたからだよ。
ありがとう。」
泣き笑いな顔でそう言うと、岩谷くんは笑いながら私達の頭をぐしゃぐしゃした。
雄大の時とは、全然違ってあたたかくて、優しかった…。

