あれは、まだ私が勇者(笑)だった頃の

話だ。

私は、村一番の剣士ヴァリオさんと神

父様のシルヴェール様と村から魔王城

に着いたときのことだった。

私達は、ドアを勢いよく開けた、そう

すると、中から、鎌を担いだ青年が出

てきて口を開いた。

「人間の領地の方ですか?それなら、

アポは取られましたか?それとも殴り

込みですか?それとも、迷子ですか?

まあ、なんでもいいですけどね、魔王

様がお待ちです。こちらにどうぞ」

そう早口で青年は話すと、くるりと向

きを変えてすたすたと歩きはじめた。

あっけにとられた私達は、ポッカーン

と効果音が出そうなほどになってはい

た、そんな私達を見て、青年は、私の

腕をつかむと引きずって歩き出したで

す。