何が間違っていたの
わたし
ひとり言ってみた


もし
さようならと言っていたら
わたしは変わっていたのかな


わたしの
その選択肢を選んだ
わたしの


思い出や
記憶や
感情なんていうちっぽけな欠片は
泡のように水に流されて
消えてしまうのかな

いつか
誰かに一部分
拾われることを夢に見て


間違いない
消えたのならわたしは
その分軽くなるね


荷物を棄てた
裸足のわたし
きみのこともそうやって忘れていくのかな


忘れ物にも出来ない
消えてしまうのね
人のものに出来ないの
きみのものにもなれないの
わたしのものでもないからさ


わたしの
わたしの
わたしの荷物はどこ


変わらないなんて言わないで
変わったとも言わないで
何も言わず
わたしだねって笑って欲しいの



ずっとさようならを言い続けて
疲れきった
冷めきった
この今にもどこかに行こうとする乙女心を
慰めて頂戴よ



さようならと言えたら


さようならを言えた
わたしは
わたしを
追い抜いていくわ


その時を夢見て
今は眠ってみるの