夜人【ヨルヒト】さん

その手に、勢いよく飛んできたものが当たった。

「あうっ!」

悲鳴を上げ、手を離す。激痛に、右手を押さえてサナミはしゃがみこんだ。

汗が額を伝う。

床に、薬瓶が落ちていた。透明な瓶の中で、液体がガラスの内側を撫でている。

ゆらゆらと揺れていたそれが、すうっと浮き上がる。

「……!」

「まださあ」

エミカの嗤い声が頭上から降ってくる。

「トリックだと思う?」