夜人【ヨルヒト】さん

「僕は病気を苦に自殺したことになった。

僕を殺した奴らは、僕を止めようとした、助けようとしたって言った。

そしてそれが事実として片付けられた」

ブツブツとエミカが何かを呟いている。その視線は床を見つめて動かない。

「本当は……全然違うのに」

もう一歩、夜人が踏み出す。

足元から広がる染みが、チサエへと伸びてくる。

『夜人さん夜人さん夜人さん』

エミカの声が、チサエの耳元ではっきりと聞こえた。