夜人【ヨルヒト】さん

「ち……ちが……」

チサエは必死で首を振った。声が上手く出ない。

「ムカつく、何考えているか分からない……だからいじめていい、と?」

イサキが目を細める。

「エミカさんはとても内向的で、人と話をしようとすると緊張する。

それをシカト、返事しないと君たちは言う」

淡々と言葉が繋がれていく。

「エミカさんは努力したんだよ。

シカトしているわけじゃない、と一生懸命喋ろうとした。

君たちが鬱陶しく思いはじめていると感じると、邪魔にならないように距離を置いた。

なのに」

目を閉じ、イサキは黙った。