「落ち着いた?」
「うん……」
手の甲で涙を拭う。
顔を上げると、少年が穏やかに微笑んだ。
(見たことのない顔……目立ちそうなのに)
チサエが思うと、その表情を読み取ったのか、少年がシャツの左胸を指した。
『2-7』の組章がついている。
「僕は7組のイサキ」
「7組……」
イサキの指が、チサエの胸にある『2-2』の文字を指す。
「2組とは離れてるからね。それに」
イサキがちらりと背後を振り返る。遠くに、サッカーボールを追いかける生徒たちの姿がある。
「この間まで入院してたから、あんまり学校に来てないんだ」
「うん……」
手の甲で涙を拭う。
顔を上げると、少年が穏やかに微笑んだ。
(見たことのない顔……目立ちそうなのに)
チサエが思うと、その表情を読み取ったのか、少年がシャツの左胸を指した。
『2-7』の組章がついている。
「僕は7組のイサキ」
「7組……」
イサキの指が、チサエの胸にある『2-2』の文字を指す。
「2組とは離れてるからね。それに」
イサキがちらりと背後を振り返る。遠くに、サッカーボールを追いかける生徒たちの姿がある。
「この間まで入院してたから、あんまり学校に来てないんだ」
