夜人【ヨルヒト】さん

「やあああああ! あああ……あ……」

ぜいぜいと息を切らし、チサエはすすり泣いた。

身体に力が入らない。

かび臭いすのこの上にぐったりと座り込む。

(何なの……どうすればいいの……)

曇りガラスの窓から、明るい日差しが差し込んでいる。

遠くでスズメの鳴き声が聞こえた。




どれぐらいぼんやりしていただろう。

突然ドアがドン!と鳴った。