「ほら……私のケイタイ」

にいっとエミカが笑った。生ぬるい息がかかり、トキコは思わず後ずさった。

教室の扉が開く。

「ほら席につけ授業するぞー」

何も気づかない様子で、教師が入ってくる。

「…………」

唇を噛み、トキコは自分の席に戻った。

(何? どういうことなの? 一体何が……)

そこではっと気づき、教室を見回した。



(サナミとチサエは?)