夜人【ヨルヒト】さん

「……それが、部屋まで追いかけてきた……?」

ユキオミの言葉に頷き、トキコはしゃくりあげた。

止まらない涙が、スカートに次々と染みを作る。

「…………」

斜め上を見たまま煙草をくゆらせていたユキオミが、煙草を地面に投げた。

靴底がその火を踏みにじる。

「旧校舎へ行こう」

唐突なユキオミの言葉に、トキコははじかれたように顔を上げた。

驚きに見開いた目が、ユキオミの真剣な眼差しとぶつかる。