窓に、黒い影が蠢いている。

部屋の照明を背後に受け、二つの死体が窓に近づいているのが見えた。

「あれ何……ヤバイ、よね?」

「追いかけてきた……旧校舎から……」

トキコは上ずった声で呟いた。

「行こう!」

ユキオミが立ち上がり、トキコの腕を掴んだ。

「え、どこに……」

腕を引っ張られ、よろけながらトキコも立ち上がった。

「とりあえず逃げる。早く!」

ユキオミに引きずられるようにして、トキコはバイクへと走った。