夜人【ヨルヒト】さん

「ってぇ……」

身体の下から声がする。

恐る恐る目を開けると、下敷きになったユキオミがいた。

「あ……」

「大丈夫? 怪我してない?」

顔をしかめ、上体を起こしながらユキオミがトキコに問いかける。

「あ、はい、多分……」

慌てて起き上がり、トキコは窓を見上げた。

折れたカーテンレールと、引きちぎられて垂れ下がったカーテンが目に入った。

「あれで衝撃が弱まったみたいだね……うわ?!」

ユキオミが奇声を上げる。