夜人【ヨルヒト】さん

「キャアア! アアアアア!!」

自分の悲鳴と、死者の呻きが脳内で混じり、余計に心拍数が高まる。

遠のきかけた意識に、バイクのエンジン音が聞こえた。

「大丈夫か! 何があった!」

窓の外から、エンジン音と共に怒鳴り声がしている。

(! さっきの……!)

チサエとサナミを見る。二人とも動きは鈍い。

トキコは唇を噛み、ベッドから机へと飛び移った。

カーテンを開くと、バイクを止め、窓を見上げているユキオミと目が合った。

震える手で窓の鍵を開け、身を乗り出す。

「助けて!」