夜人【ヨルヒト】さん

しゃくりあげ、トキコは目を堅く閉じて首を振った。

(もう無理……)

これ以上は耐えられない、と思った。

頭が割れるように痛む。

煮えた血が、頭を突き破って溢れだしそうだった。


「トキコさん」


思いの他、優しい声がトキコに語りかけた。

知らない男の声。

「…………?」

トキコは目を開けた。

(誰か、助けに来てくれた……?)

恐る恐る、視線を上げる。