夜人【ヨルヒト】さん

(何かがいる)

得体のしれない気配が、トイレの入り口から伝わってくる。

足元には折れた携帯。

顔を上げればエミカの死体。

口を押さえていた手に、生ぬるい液体が触れた。

無意識のうちに、トキコは泣きだしていた。

見開いた目から、とめどなく涙が溢れる。

ぽた、ぽたと水滴が落ちる音が、トキコに訴えかけていた。

こっちを向け。

こっちを見ろ、と。