夜人【ヨルヒト】さん

虚ろに開いた目は濁り、その上を蝿が歩いている。

大きく開いた口からはみ出した舌が、乾ききって白っぽく浮いて見えた。

「…………ッ!!」

口を両手で覆い、トキコは後ずさった。背中に壁が当たる。

心臓が、胸を突き破りそうなほど高鳴っている。

目をそらしたいのに、視線を動かすことができなかった。

よろけた足が、何かを踏んだ。

踏まれ、折れて壊れたエミカの携帯がそこに落ちていた。

ちかりとその画面が光った。

メールの送信画面になる。

息が上がり、がくがくと身体が震えるのを止めることができない。