夜人【ヨルヒト】さん

「チサエ? サナミ?」

「…………」

さっきまでの明るさが嘘のように、扉の閉まった個室はしんと静まり返っている。

「メールを見て」

「メールを見て」

声に抑揚がない。

背筋が総毛だった。

抗えない力を感じ、トキコは震える手で携帯を取りだした。

メール画面を開く。

タイトルも本文もないメール。

「バカ女」

送信者の名前が表示されていた。