夜人【ヨルヒト】さん

(誰に……何を言えばいいんだろう。どうすれば……)

チサエもサナミもいないと、相談相手が見つからないことにトキコは呆然とした。

うつむき、混乱する頭で次にすべきことを考える。

(…………)

窓の外を見る。

うららかな日差しが、暖かく辺りを照らしている。

敷地の奥に放置されたような旧校舎もその恩恵に預かり、打ち捨てられた不気味な外見が今は不思議な穏やかさを纏っていた。

(この時間なら、まだ明るい)

トキコは携帯を手に立ち上がった。

(今なら……多分、行ける)