ただそれだけの、そっけないメールをトキコは食い入るように見つめた。

(旧校舎3階の女子トイレって……)

相変わらずエミカの姿はない。

画面を切り替え、エミカは電話帳からチサエの番号を呼び出した。

発信ボタンを押す。

4回の呼び出し音の後、ぷつんと着信の気配があった。

「もしもし、チサ……」

『現在こちらの番号は、電源が入っていないか電波の届かない……』

トキコの呼びかけは、無機質な女性のアナウンスに遮られた。