夜人【ヨルヒト】さん

「チサエがサナミを殺しておしまい、のつもりだったのに」

薄闇に、剥き出しになった歯が白っぽく浮いて見える。

「チサエ、2度死んじゃったね。お気の毒さま」

「…………ッ!」

くすぶり、淡い煙を立て続けているチサエの身体を見、サナミは唇を噛んだ。

背けた目に、棚に入っている瓶が目に映った。

『硫酸』

「…………」

「ねえ、サナミ」

エミカが猫撫で声で語りかけてきた。

「追い詰められる気分はどう? 辛いでしょ。

私はこれを毎日やられていたんだよ?」