夜人【ヨルヒト】さん

サナミは絶叫した。

喉が切れるほど叫んだ。

サナミの手から離れた芯が、小さな炎を揺らめかせながら飛ぶ。

チサエの足元に流れる液体に、その光が落ちた。

一瞬の間を置き、チサエの身体が紅い火柱に包まれた。

熱風に押され、サナミはよろけて棚にもたれかかった。

「サ……ナ……?」

火柱の中で黒い影になりながら、チサエが呟く。

「チサエ!……チサエ、ごめん……」

煙と涙で咳き込み、口を押さえてサナミは座りこんだ。

とめどなく涙が溢れた。