体育館から戻って教室に入り、あらかじめ指定された席に座っていた。
同じ中学から上がって来た人がおらず、1人で大人しく座っていると
ツンツンっ
後ろからいきなり、肩をつつかれた。
びっくりして後ろを振り向くと、私の後ろの席に座った女の子が笑顔でこっちを見ていた。
(なんだろ…?)
「星原 伊織 (ほしはら いおり)って言うの!
席前後だし、仲良くしてねっ」
元気な明るい声で自己紹介してくれた。
「あ、うん。よろしくねっ」
「名前、なんて言うの?
輝くに笑うって字だったよね?」
(漢字、覚えててくれてるんだ…)
「輝笑 (きえ)って読むの。
呼び捨てで呼んでもらって構わないからね!」
「輝笑ね!了解。
こっちも伊織って呼んでね~」
「うん。」
知らない人ばっかりで緊張してたけど、伊織のおかげで緊張もほぐれた。

