「き、急に気分悪くなっちゃって!
ごめんね、心配かけちゃって…」
作り笑顔をして出来るだけ明るく言った。
そのつもりだったのに…
「今にも泣きそうな顔してる。
…ちょっと俺と一緒に来て?」
この時の龍矢くんの口調と表情が切なげで、そしてあまりにも優しくて頷くことしか出来なかった。
連れてこられたのは屋上だった。
幸い、周りには誰ひとりいなかった。
いつの間にか掴まれていた手が解放される。
「落ち着くまでここにいよ。
そんな顔じゃ伊織ちゃんたちにも会いづらいんじゃない?」
(私の気持ち分かってくれるんだ…)
「強要するわけじゃないけど、何かあるなら俺にでよければ話してね。」
そう言って、龍矢くんは私の表情を伺いながら頭を撫でた。

