side奏音

いつものようにお店に入った

ここはとても落ち着く

優しい暖かい香りがするから

東くんになにが飲みたいか聞いてから

奥さんに注文をしにいった

しばらく話してたらふと視線を感じた

感じる方に目を向けてみると

東君と視線がぶつかった

なんかすごく照れくさくて

とりあえず微笑んでみる

彼も柔らかい優しい笑顔をくれた

あの笑顔をもっと近くで見れたらいいのに

そう思ってたら奥さんが
「彼氏さん?」
なんて聞いてくるから思っいっきり否定した
だって恥ずかしいから

それでも納得してないのか
色々聞かれたけど全部違うと言っておいた

最後に奥さんは
「良かったわね
あなたが誰かをここに連れてくるの初めてだから…優しそうな青年ね」
他のお客さんもみんな声を揃えて
「奏音ちゃん良かったね」
「奏音ちゃんが連れてきた男だ良い青年に違いないな」

あぁそうだね
彼はすごく優しいよ
大好きなんだ
私の大切な人だよ

奥さんはなんでもお見通しのように
私をじっとみて微笑んでいた

お客さん達も同じように
微笑んでいた

すごく恥ずかしかったけど
それはそれで幸せだった