ヤンデレ兄弟と同居しているが、もう限界。

「ええぇ!この子が新しい書記ちゃん?んまぁ、可愛い子ねぇ!花ちゃんもそうおもわなぁい?」




ナンダコレ。



確かに私は新たな出会いを期待していた。でもそれは春の訪れとか、要するにラブロマンスを感じさせるものを予想していたのでつまり何が言いたいかって……



__私が考えていたものと違う!



唖然とする私の頭をわしゃわしゃしている『男性』は、甲高い声をあげ、女子のようにきゃっきゃと何やらかんやら喋っている。


シンプルで殺風景な生徒会室とは不釣り合いな女子高生らしい、キャピキャピしたスイーツ的雰囲気にずっと圧倒されている。

いや、今時女子高生でもこんなにハイテンションじゃないか。この人、怖い。




「兄貴……その子、かなり戸惑ってるみたいだけど」
「あらん?まあ、ごめんなさいねぇ。」
「いえ……大丈夫です……」
「いきなり兄貴がごめんね。私は篠山花子。副会長よ」




優しく微笑む眼鏡美人さんはよしよしと頭を柔らかく撫でてくれた。とても女言葉を喋る男性と兄妹とは思えない。

その横で恐らく生徒会長様らしき男性はもお!と抗議の声をあげた。




「私を差し置いて自己紹介なんて、妹としてはどうかと思うわ!あ、私は生徒会長の篠山梓よ」