ヤンデレ兄弟と同居しているが、もう限界。

誰も手をあげない。どうやらあまり積極的なクラスではないらしい。担任も困り顔で、誰かいないか?と聞いている。



……しかたないなぁ…





「はい。私、やります」
「霊仙、本当か?ありがとう。では、放課後少し残ってくれ」




なんだか誇らしい気分になった。普段から消極的すぎないかと言われることが多々あったので、そんなこと言った子に、ドヤ顔してやりたい。

まぁ、誇らしさの反面、緊張もあるが、同時に楽しみでもある。



だって生徒会なんて、ロマンスの香りがするじゃない。学園を支配する俺様な生徒会長と、腹黒な副会長。インテリメガネな会計、男の娘書記とかいるかもしれないし。

生徒会といえばつまり俗に言う逆ハーレムの定番設定。少女マンガ厨としてはわくわくせざるを得ない。




とにかく今日の入学式は、私の中では大成功だ。




そしてホームルームが終わり、下校時間になるとすぐに棗が駆け寄って来た。とても驚いた顔をしている。




「向日葵、すごかったね」
「何が?」
「生徒会に入るって、手を上げたこと。僕には真似できないよ」




白い歯を見せてあははとはにかむその顔は、さすがとしか言いようがない。イケメンの笑顔って、こうも破壊力が高いものなのか……