「黑城千尋(コクジョウ チヒロ)、あんたがそうか?」

真っ暗な部屋で男がそう尋ねた。

「あぁ、そうだが。何が欲しい」

そう聞かれると男は口の端を上げ、白い歯を見せながらニヤけだした。

「大字(オオアザ)組の情報が欲しい」

「それなりの物はくれるんだろうなぁ?」

男はそれを聞いた途端、鼻で笑って返答した。

「上等だろ」

「はは、だよなぁ。極宗會(キョクソウカイ)だしな。律儀な頭の筈だもんな、あんた」

「御褒めの言葉どーも。じゃあよろしく頼みますよ。」

そう言って男はその場を立ち去っていった。

男が立ち去った途端に、情報屋らしき男はパソコンを扱いだした。

キーボードを叩く音が響き渡る。