神様の落としもの

練習が終わり、いつもの道を自転車で帰る。

いつもなら勇磨とバカ騒ぎしながら帰る道。

今日は、ほんのり赤く染まった綺麗な夕焼けを見ながら一人で自転車を漕いでいる。

なんだか寂しい道のりだった。

勇磨がいないからじゃない。

勇磨に彼女が出来たから…。

親友を取られたようで、少し切なくなっているだけ。

自分でもわかっている。

俺ってイヤな奴…。

勇磨に嫉妬している…自分で自分が憎らしかった。

俺は自転車を漕ぐスピードを上げて力一杯走った。