君の音


梶原くんと初めて話した日から1か月がたち明日は入部テストの日。

入部テストといってもどのくらい出来るのか見るだけだからテストなんて言えないようなものだけど…

梶原くんとは初めて話した日から1度も話してない。

「かーなでっ」

ぽんっと肩を叩かれた

「美亜っ!どーしたの?」

そこにいたのは美亜ですごく嬉しそうな顔をしていた

「実はね、さっき亮くんに告白されたんだ」

「え。うそ!やったじゃんっ」

亮くんというのは美亜が中学の時からずっと好きだったという人だ

美亜は頬をほんのりピンクにし幸せそうに笑っている
こういうときの女の子はほんとに可愛いと思う。

「うんっ。付き合うことになりました!」

「おめでと~!!」

美亜がずっと好きだったことは1番知ってたからわたしもなんだかすごく嬉しい。

わたしもそんな美亜につられて微笑んでいたら美亜がわたしに耳打ちしてきた。

「ね、最近先輩とはどうなの?」

「え。」

突然聞かれたからかわたしは胸がドキッとなる

「どう?いい感じなの?」

「…いい感じっていうか先輩には彼女がいるしさ…」

「それは、そうだけど。え、もしかして知らないの?」

「は?なにが…?」

美亜は少し言いにくそうな顔をして小声で言った

「先輩の彼女が浮気したって話」

…え!?
う、浮気…!?

「え、待って待って。それほんとなの?デマとかじゃなくて?」

「ううん。ほんとだよ、実際にあって今、先輩と彼女気まずいらしいよ」

そ、そうなんだ…
全然知らなかった…
あんなに仲が良くて誰が見てもお似合いのカップルだったのに…

「…花奏、チャンスじゃん!」

「え…」

美亜はさっきまでと打って変わって顔を輝かせている

確かに美亜の言う通りチャンスかもしれない、けど…

きっと先輩、今すごく傷ついてると、思う…

それに浮気したからって別れてるわけじゃないんだから、

わたしが先輩に何かいろいろするっていうのはなんか違う気がする…