君の音


「鈴原 花奏!」

突然呼び止められ私は後ろを

振り返った。

そこにいたのは、私の好きな人。
佐伯 涼介(さえき りょうすけ)先輩だった。

「せ、先輩…」

私は突然だったのと久しぶりに先輩に会った緊張で少し声が強ばってしまった。

「花奏〜とりあえず合格おめでと!」

先輩は私の頭に自分の手を置くと
くしゃくしゃっと私の頭を撫でる。

「ちょ、ちょっと!やめて下さいよ!」

そんなことを言いながらも
きちんと拒めない自分もいる。

きっと今顔赤いんだろうなぁ…

「どうした?熱でもあんのか?」

先輩は心配そうに私の顔をのぞく。

う、わああああ!
ち、近いよ近い!!

私は恥ずかしさからとっさに
後ろに逃げる。

「なんでもないです!」

「そうか?それならいいけど、。」

「無理すんなよ」と先輩は言って
また私の頭を撫でてくれた。

さっきとは違うとても優しい撫で方。

ほわほわ〜とまた顔が赤くなる。

こ、この人はっ、、
天然なんだか計算なんだか
ナチュラルにこういう事をしてくる。

「そ、れで?先輩何か用事が
あったんじゃないんですか?」

「あ、そうそう。お前軽音部志望だろ?」

「はい」

そう。私はこの高校に入ったら
絶対に軽音部に入ろうと決めていた。

あ、いや、先輩がいるからじゃないよ!うん!

「入部テストまで1ヶ月なんだけど
平気か?」