そっか、と笑って呟いた燐ちゃんは、真剣な顔つきになって作業を始めた。
あ、その顔好き。
いつも笑ってる燐ちゃんが、ケーキだけを考える瞬間。
その瞬間をずっと見ていたいから、ついついカメラにおさめてしまう。
だから、私のカメラのデータには燐ちゃんがいっぱい。
「文化祭、千世ちゃんのクラスにも行くね」
「嬉しいけど…」
「けど?」
「恥ずかしいなあ」
「はは、千世ちゃん指名するよ」
「うー」
いいもん、燐ちゃんのクラスでも燐ちゃん指名するから!
「楽しみだな、浴衣の千世ちゃん」
「そんな期待するほどのものじゃないよ、燐ちゃんはどんな格好でするの?」
「……」
「あ、タキシード、とか」
苦虫を噛み潰したような顔をする燐ちゃん。
図星、だな。

