「………なんだろう」 「え?」 私が望んだ言葉が、出てこない。 もう、そこまで出かかってるのに。 「なんだろう……」 「なんだろうね」 やっと燐ちゃんは笑顔になった。 モヤモヤするけど、まあいっか。 「あ、写真撮って、千世ちゃん!」 「うん!」 食べかけだけど。 それもいいよね。 「今日のタルトの題名は、」 「ヤキモチフルーツタルト、だね」 燐ちゃんは顔を赤くさせる。 ヤキモチフルーツタルト。 それはとてもビターなのです。