「…千世ちゃん、まだ時間ある?あるならお菓子食べよう」 「えっ、うん」 いつもより何倍も低い声。 心地いいテノールの声とは全然違った。 「……」 「ごめんね、住田」 燐ちゃんの気配がいつもとは違うから心配になって、私は調理室に入った。 「り、燐ちゃん」 「集中できないから黙っててくれる」 怖くて、冷たい声。 燐ちゃんじゃ、ないみたい。 「……っ」 さっきまで、あんなに優しく手を握ってくれたのに。 私、何かしたかな。 燐ちゃんに嫌われちゃうのは、胸が痛いよ。 嫌われたくないよ。