「僕、実家継ぐの夢だから。
だから、レシピを増やして一人前のパティシエになるんだ」
凄いね、燐ちゃん。
私に夢なんてないよ。
人に教えられる夢なんてないよ。
やっぱり、燐ちゃんは王子様だ。
「うわっ、すっごい遅い時間!千世ちゃん家は大丈夫?」
「あ、うん!私んち基本放置だから」
「そっか、でもすっごい遅いから送ってくね。一緒に帰ろう」
そう言って、燐ちゃんは急いで片付けをしだした。
私も自分が使った食器を洗う。
「学校、閉まってないよね?」
「それは大丈夫。
ここの調理室古いとこだし誰も使わないから、僕が鍵管理して使わせてもらってるんだ。
離れだし、心配しなくてもいいよ」
「燐ちゃんしか使ってないの?」
「僕と千世ちゃんだよ」

