「あのね、最初すっごい甘い匂いしたから、走って探してたの。 そしたら調理室のドアだけ輝いて見えてね、 酸っぱい匂いも甘い匂いも強かったから、ここだって思ってドアを開けたの。 そしたら」 燐ちゃんは手を休めて、じっと私を見つめている。 その真っ直ぐな眼差しに目を背けたくなったけど、私も恥ずかしがらずに見つめ返した。 「ショートケーキと、私がずっと探してた王子様がいたって思ったよ」