「おいしいよ!私一瞬で虜になったよ」
「そっか」
ニコニコと笑う、男の子。
よく見れば、綺麗な顔をしている。
ふんわりと少しだけ癖のついた黒髪。
優しい目元。
小さい顔。
私が来てから、ずっとニコニコしている彼。
……こんな人が、こんな甘いケーキを作ったんだ……。
「あ、そうだ。君のこと教えてよ」
「あっ、急に来ちゃってごめんなさい」
「ううん、いいよ」
「杉田千世です」
「ちよちゃん?一年生?」
「うん」
「じゃあ僕の一個下だね。僕は本郷燐です」
「あっ先輩」
「先輩とかいいよ、好きなように呼んで」

