恋のつぼみ






ハルはあたしの受験票を奪い取って、番号を確かめた。


「見てるとこ全然違うし!」


そう言いながら、あたしの手首を掴んで、強引に人込みの中に入っていく。



間違ってたの?


あたしの番号ないんじゃないの?!



落ちてない…?!


落ちてる?!


どっちー?!



あたしだけバラバラになるなんて、


イヤだぁ!!!







3軒並びに建った新興住宅街で、あたしの家を挟んでお隣同士の三人。



兄弟を持たないあたしたちは物心がついた時からずっと一緒。傍にいるのが当たり前。


世間でいう幼馴染みっていう関係だ。


でも、落ちてたら……もう三人で過ごせない。


この居心地のいい関係が終わっちゃう!


それだけはいやだ!



ハルは泣きそうなあたしの手首を掴んだまま、掲示板を見上げている。



「何番?」


ハルの手元を覗きながらユキが言う。


こんな心配そう目をに細めるユキを、あたしは初めて見た気がする。



あ!

そんな事思ってないで。


あたしも探さなきゃ!!!





152…


152…



『152』



あ!!!!