終わらないMelody【短編】

「ありがとね、麗羅…。あたし、頑張って伝えるよ」

あたしは胸を張って、麗羅に伝えた。

もう……逃げたくない。

そんなあたしに、麗羅は可愛らしい笑顔を、向けてくれた。

「うんっ!それでこそ、あたしの親友☆
……あたしは誰よりも、応援してるからね?」


――うん。知ってるよ?

心配そうなその表情が、誰よりも、あたしに力を与えてくれるんだもん。

あたしは返事の代わりに、とびきりの笑顔を返した。




―――……。


「―…あ、譜面…ない」

お昼ご飯を食べ終わったあたしは、譜面読みをしようと思っていた。

でも、机の中にも、鞄の中にも、譜面の姿が見当たらない。


「音楽室じゃなーい?」

何やら、忙しくしている麗羅が、素っ気なく言う。

「そっかな?見に行ってみる」

麗羅にそれだけ伝えると、あたしは教室を出た。



この後起こる、出来事なんて

この時のあたし達は

知るよしもなかった――…。