.。*゚+.*.。*゚大雅side

「俺とデートしたい人っ!あ、まだしたことない人ね?」

俺はいつもの調子で女子に笑顔を振りまく。女子は顔を真っ赤にする。
それを見ているのが楽しい。

でも、唯一、真っ赤にしない子がいる。

「あ、居た。」

今日もその子は俺と隣にいる颯を睨んで女子の群から出ていく。

「大雅。もう行くぞ。」
「はいよ。」

颯の方に目を移し、女子の群から素早く抜ける。

「そうくぅーん!たいがくーん!もう行っちゃうのぉー?」

そんな声に振り返り笑顔を見せて手をひらひらと振りながらその場を去る。

そして、使われていない教室に向かう。
俺らは授業受けなくとも頭イイし。

「おい、大雅。何考えてる。」
「えー?あー、今日のデートの相手。」

なんて、ね。考えているのはあの子のこと。俺や颯を見て頬を赤らめるどころか凄い睨んでくる。ほかの女の子とは違うあの子。

「なんて言う名前なのかなぁ。」

そんな言葉が俺の口から放たれていた。

「ん?あー、あいつ?」
「え?」
「俺らの事睨んでくる奴の事だろ?」
「あ、ま、まぁ。」

颯には全てお見通しか。

俺はそう思いながら、がららとドアを開ける。

「あいつ、俺知ってる」
「え?」

近くの椅子に適当に腰をかけると颯が口を開いた。

「1年C組、赤崎凜花。」
「C組って...同じクラス。ってかどこ情報?」
「あー、女子が言ってたのが聞こえた。」

やっぱ、女子は情報をゲットすんのに役立つ。
てか、あれ!近づくチャンスじゃん。

「あ!いーいこと思いついたっ!」

俺は一言残して教室を出る。
向かうのは勿論、1年C組。
待ってろよ。赤崎凜花。
絶対お前を惚れさせてみせる。