「…。」

「…。」

「…。」

全員無言で朝ごはんを食べる。

「姉ちゃん、なんであんなに怒ってんすか?」

「あはは…。
いやー、ちょっとね。」

ちょっとじゃないわ。

寝ぼけていたとは言え、なんでそこで襲おうとするのか訳がわからない。

「ごちそうさまでした。」

私は食べ終わったお皿を片付ける。

今日は顧問が用事があるため、部活はなし。

「なぁー、悠奈さ、25日どーする?」

あ、そういえばお祭り…。

でも、こんな腕だし…。

でも…

「行きたい。」

私は思わずそう口走っていた。

「わかった。」

優しく微笑み、彼は私の横を通って玄関へと向かう。

「あ、ねぇ、家族心配してないの?」

私は思わず彼を引き止めてしまった。

「あぁ、俺言ってなかったっけ?
両親いねぇんだわ。
父親は元からいねぇし、母親は男作って出てった。
んで、俺には姉貴がいんだけどよ、姉貴結婚して俺一人暮らしってこと。」

「そうだったんだ…。」

「お前がそんな顔すんなって。
俺は帰るからな。」

そう言って、私の頭を撫でた時だった。

ヴーヴー ヴーヴー

彼のケータイがなる。

「げっ。」

え?

あからさまに嫌な顔をして出る悠星くん。