心の居場所


「はぁはぁ…。」

「なっ!?
お前、わざわざ走らなくても…。
ってか、腕。」

私の腕を見て、一瞬悲しそうな顔をする彼。

「あはは。
ちょっとドジっちゃって…。」

なんでだろう。

視界がぼやけてきた。

「〜〜〜っ!」

グイッ

悠星くんは、私を自分の腕で包み込んだ。

「なんで、そうやって無理に笑うんだよ。
泣いていいじゃんか!
痛かったんだろ?
悔しかったんだろ?
だったら、泣けよ!
泣いて全部吐き出せよ!」

「うっ…。えっく。
ひっく。っ…。
ほんとっうは、すごく…悔しい。
1ヶ月も、バスケが…できないのは、すごく悔しいし、辛いよ。」

私の言葉に何も言わずに頷く彼。

「誰よりも上手くなりたいよ。
はやくユニフォームもらいたいよ。
なにより、今すぐバスケがしたいよ!」

私は声を出して泣いた。

周りの人なんて気にしない。

もう涙を堪えているのは限界だったんだ。

誰だって子供みたいに泣きたいときはある。

だけど、いつからか声を出して泣くこと、いや、泣くこと自体を我慢していた。

昔お母さんに言われた言葉が胸につっかえていたから。